まえがき

 私は、どうしてこうも強烈に、若い世代や子ども達に「複音ハーモニカの魅力や演奏技術を伝えたい!」と、思うのでしょうか?

それはひたすら、私が複音ハーモニカに触れた時に遡ることになります。
私が小学生の頃に、ハーモニカにのめりこんでいったのは、ある意味、沢山の子どもたちが直面してきた、あるいはまた、今も大勢の子ども達が対面している現実の、小さな一小間からだったからだと思います。

私は、小学校で行われた短時間のハーモニカの授業の中で、恐らくは「幸運にもハーモニカを知っている音楽教師に出会い!」、その音の世界に誘われたのです。
いろいろあって、一人だけの世界に沈潜していた私にとって、ハーモニカはただ一つの、自由に気持ちを表現できる世界でした。

子どもの頃に住んでいた家の門のそばには、大きな檜がありました。その木のてっぺんで、物悲しい曲を即興で演奏していた小学生は、今から思えば、かなり早熟な子どもだったでしょう。
でも、間違いなく、ハーモニカは、一人の少年の心を、確かに表現する道具でした。

今、私の教室でハーモニカの練習に取り組んでいる一人の小学生の男の子は、ある練習の日に、子どもたち同士のいさかいから、泣きながらやってきました。
その彼は、他の子ども達が月に2回のレッスンなのに、今や月に4回のレッスンに励んでいます。
ほんの小さなきっかけで、子ども達の世界は、大きく変わるのではないかと思います。
私は、子ども達に、自分を表現するということを知ってほしいのです。

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